スタート

　家を建てようと考えたとき、まずどこから始めたらよいのか、あまりにたくさん考えることがあって迷いますね。そこでとりあえず住宅展示場に行ってみるというのがよくあるケース。
　でも、これではきれに飾り立てたモデルハウスに目が奪われ、あれも欲しい、これも素敵だと、夢ばかり膨れ上がることになってしまいます。その結果、関心の自分たちの生活より、その入れ物の方を優先してしまうという本末転倒に陥りかねません。家づくりの目的は安全で快適な生活の実現であり、入れ物の住宅はそのための手段に過ぎません。

◎なぜ注文住宅か？

○本題に入る前に、家を手に入れるといっても建売住宅やマンションを買うという方法もあります。なぜ、注文住宅なのでしょうか？

○建売住宅やマンションは、買う前に完成した形が確認できる点が、大きなメリットのひとつです。また入居までの時間も比較的短めです。そのかわり、デザインや間取り、テイストなど自由にはなりません。そこでの生活のイメージは描きやすい反面、先に入れ物を決めて自分たちの生活を入れ物にあわせるということになりかねません。

○一方、注文住宅のメリットは何といってもデザイン、間取りなどの自由度で、将来増改築やリフォームがしやすいというのも長く使う上で大事なポイントです。つまりあなたやご家族が、そのライフスタイルを大事にしながら、長い年月を快適に暮らすための拠点んをつくるという目的には、注文住宅がもっとも適した方法であるといえます。ただそのかわり、注文住宅は建売住宅などに比べ費用が高めになるので、その分注文住宅のメリットをフルに生かした家づくりを目指すべきでしょう。

ではいよいよ本題、ます最初は暮らしのイメージを固めることです。

◎新しい家での暮らしのイメージ

○家づくりを始めるときに、まず最初にすることは、そこでどんな暮らしをしたいのかという暮らしのイメージづくりです。週末には友達が集まってパーティをするとか、広めのリビングで家族が一緒にくつろぐ、あるいは静かな書斎で読書を楽しむなどなど、あなたやご家族が望む暮らしの形をイメージし、そのためにどのような家がふさわしいのかを考えるという進め方です。

○イメージはあなただけでなく、ご家族の意見をよく聞くことが大事です。特に奥様は多くの場合もっとも長い時間を家で過ごされ、家事を行なうわけですから大事です。皆さんが意見や希望を書き出して相談されるのもよいでしょう。

○このイメージは、工務店や設計事務所に実際に家づくりを頼む際に、皆さんの希望を伝え、それを家という形に作り込んでもらうために、非常に大事です。正確に希望を伝えるために、分かりやすい言葉を選び、それをストーリーにして説明するとか、イメージに近い情景の写真をお選んでおくなど、皆さんのイメージを最もよくあらわせる方法を考えてください。

◎住まいのイメージ

○暮らしのイメージが出来たら、それを実現するための新しい住まいのイメージを描いてください。そのとき参考になるのが、今の住まいの不満点を洗い出す方法です。どこが使いにくいか、こうなればいいのになど、これもご家族の皆さんのご意見を書き出すやり方がよいでしょう。

○また、暮らしのイメージにあう住まいの実例が写真などので手に入るなら、それも工務店や設計事務所がイメージを具体化する上で参考になるでしょう。

○こだわりの物があるなら、それを具体的に示すのもイメージを形に落とし込む際に役に立ちます。お気に入りの絵や収集品、家具などが使えるでしょう。